石川県能美市にある大学を訪ねました。
情報処理技術が専門の國藤進教授です。2年近くをかけて、捜し物を見つける新しいシステムを開発しました。
一見、旅館の一室のように見えるこの部屋。國藤さんたちが11月に作ったシステムの実験施設です。
さっそくシステムを使わせてもらいました。
捜したいものがある場合、専用の端末をその写真の上にかざします。
石山: ではまずメガネを捜してみます。
あ、スポットライトにメガネケースが照らし出されました。ひと目でどこにあるか分かるわけですね。
では続いてなくしやすいテレビのリモコンを捜してみます。
スポットが移動しました。こんなところにあったんですね。
どうしてスポットライトをうまく当てることができるのか。実はこの捜し物の中には超音波と無線のふたつのタグが内蔵されているのです。
一方、天井には160個のセンサーを設置。タグからの情報を感知します。
この情報を元に、コンピューターがタグの位置を割り出します。誤差は数センチだといいます。
捜し物が箪笥の中などにしまわれている場合は、無線タグが使われます。
障害物を電波が通り抜け、この通り・・・
石山: あ、ありました。ちゃんとこの隠れた場所にあるものの在処も教えてくれるんですね。
北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科
國藤 進教授
分かりやすく見やすく使いやすいものにするために、もっとコンパクトにしたりとかコストダウンしたりとか。3年後にはですね、是非そういういろんな諸問題をクリアしたいと思っております。
映像を使って捜し出すシステムも開発
別の方法で捜し物を見つけ出そうという装置の開発も進められています。
河野恭之助教授の研究チームです。手がけているのは、置き忘れた場所を映像で検索するシステムです。
装置は身につけられるように作られています。
腰にはビデオカメラ。袖口に操作ボタンとディスプレー。データを保存し、検索するのは背中のポーチの中の小型パソコンです。
このシステムでは、まず持ち物を腰のカメラで撮影。形や色などの情報をパソコンにあらかじめ登録しておきます。
あとは、このスタイルで生活するだけ。カメラが、利用者の動きを撮り続けます。
登録した持ち物が写ると、その際の映像が保存されます。
どこかに置き忘れた時も・・・
端末で捜したいものを入力すると、最後に記録した映像が表示されます。これを見て、置き忘れた場所を思い出すという仕組みです。
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
河野恭之助教授
私自身は今からでも使いたいというか、もう私が困っているのでこのシステムを作ったんです。
ブレイクすれば、普及は早いというふうに思っています。
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